
親知らずが横向きに生えている、歯ぐきの中に埋まったままになっていると聞いて、不安になったことはありませんか?
親知らずは、正常にまっすぐ生えるケースもありますが、顎の大きさや歯の位置などによって、斜めや横向きに生えることがあります。
特に、横向きになった親知らずは、手前の歯との間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯ぐきの炎症などにつながることがあります。 症状がないからといって、必ずしも問題がないとは限りません。
この記事では、親知らずが横向きに生える原因や、放置した場合に考えられるリスク、抜歯を検討するケース、治療の流れ、抜歯後の注意点について詳しく解説します。
親知らずが横向きに生える原因とは?
親知らずは、正式には「第三大臼歯」と呼ばれる歯です。 一般的には10代後半から20代ごろに生えてくることが多いとされていますが、生える時期には個人差があります。
親知らずが横向きや斜めに生える大きな理由の一つとして、親知らずが生えるためのスペースが十分に確保されていないことが挙げられます。
顎の中に生えるスペースが足りない
親知らずは、歯列の一番奥に生えてきます。 そのため、顎の大きさや歯列の状態によっては、まっすぐ生えるためのスペースが不足することがあります。
スペースが足りない場合、親知らずが斜めになったり、隣の歯に向かって倒れたり、歯ぐきの中に埋まったままになったりすることがあります。
親知らずが生える方向に問題がある
親知らずは、必ずしも歯列に沿ってまっすぐ生えるとは限りません。 歯の傾きや周囲の骨、隣の歯との位置関係などによって、生える方向が変わることがあります。
顎の成長と親知らずの大きさの関係
顎の形や大きさには個人差があります。 親知らずが生える時期になっても、歯が収まるスペースが十分でない場合には、正常な方向に萌出できないことがあります。
POINT
親知らずが横向きになるのは、単純に「歯が変な方向に生えている」というだけではありません。 顎のスペースや歯の位置、周囲の骨など、さまざまな要因が関係しています。
横向きの親知らずを放置するとどうなる?
横向きの親知らずは、必ず抜歯しなければならないわけではありません。 しかし、親知らずの状態によっては、放置することで周囲の歯や歯ぐきにトラブルが起こる可能性があります。
親知らず自体が虫歯になる
横向きや斜めに生えた親知らずは、歯ブラシが届きにくくなることがあります。 その結果、親知らずの周囲にプラークがたまり、虫歯につながる可能性があります。
手前の歯が虫歯になる
横向きの親知らずが手前の歯に接触している場合、その間に食べ物やプラークがたまりやすくなります。
特に、親知らずだけでなく、その手前にある第二大臼歯まで虫歯になってしまうと、治療が必要になる場合があります。
歯ぐきが腫れて痛む
親知らずの周囲に汚れがたまると、歯ぐきに炎症が起こることがあります。 親知らず周囲の炎症は「智歯周囲炎」と呼ばれます。
歯ぐきの腫れや痛み、口を開けにくいなどの症状が現れる場合があります。
口臭の原因になることがある
横向きの親知らず周辺は清掃しにくいため、プラークや食べかすなどが残りやすくなります。 その結果、口臭が気になることがあります。
歯ぐきや周囲の組織に影響することがある
親知らずが周囲の歯や組織に影響を与えている場合には、炎症などのトラブルが繰り返されることがあります。
放置には注意が必要です
「今は痛くないから大丈夫」とは限りません。 横向きの親知らずでは、症状がない状態でも隣の歯との間に汚れがたまりやすい場合があります。
親知らずの位置や状態は、歯科医院でレントゲンなどを用いて確認してもらうことが大切です。
横向きの親知らずで起こりやすいトラブル
横向きの親知らずでは、単に「歯が横になっている」だけではなく、周囲の歯や歯ぐきにさまざまな問題が起こることがあります。
智歯周囲炎
智歯周囲炎は、親知らずの周囲に炎症が起こる状態です。 歯ぐきの腫れや痛みなどが現れることがあります。
炎症が強くなると、食事や会話などにも影響する場合があります。
第二大臼歯の虫歯
横向きの親知らずが手前の第二大臼歯に接している場合、両方の歯の間に汚れがたまりやすくなります。
親知らずだけを気にしていても、手前の大切な歯にトラブルが起こる可能性があるため注意が必要です。
歯周病につながる可能性
親知らず周辺にプラークがたまりやすい状態が続くと、歯ぐきの炎症につながることがあります。
特に、手前の歯との間に深い歯周ポケットが形成されている場合には、周囲の歯周組織への影響にも注意が必要です。
嚢胞などの病変
埋まった親知らずの周囲に、まれに嚢胞などの病変が生じることがあります。 こうした状態は自覚症状だけでは判断できないため、レントゲンなどによる確認が重要です。
横向きの親知らずで注意したい症状
- 親知らず周辺の歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきから出血する
- 噛むと奥歯が痛む
- 口が開けにくい
- 親知らず周辺に食べ物が詰まりやすい
- 口臭が気になる
- 頬や顎の周囲まで腫れてきた
横向きの親知らずは抜いたほうがいい?
横向きの親知らずだからといって、すべてのケースで抜歯が必要になるわけではありません。
親知らずの位置、向き、周囲の歯や歯ぐきへの影響、今後トラブルが起こる可能性などを総合的に判断して、抜歯するかどうかを検討します。
抜歯を検討することがあるケース
- 繰り返し歯ぐきが腫れる
- 親知らずが虫歯になっている
- 手前の歯が虫歯になっている
- 親知らず周辺の清掃が難しい
- 親知らずが隣の歯を強く押している
- 周囲の組織に影響が認められる
抜歯せず経過を見る場合もある
親知らずが完全に埋まっていて周囲に問題がない場合などには、すぐに抜歯せず経過観察となることもあります。
ただし、経過観察をする場合でも、定期的に状態を確認することが重要です。
自己判断で「抜かなくても大丈夫」と決めない
親知らずは口の奥にあるため、自分で正確な位置や向きを確認することは困難です。
「痛みがない」「少ししか見えていない」といった理由だけで判断せず、歯科医院で診察を受けましょう。
POINT
抜歯が必要かどうかは、親知らずの向きだけでは決まりません。 周囲の歯や歯ぐきへの影響、清掃のしやすさ、症状の有無などを含めて判断します。
横向きの親知らずを抜歯する流れ
横向きの親知らずは、歯の一部または大部分が歯ぐきや骨の中に埋まっていることがあります。 そのため、一般的な歯の抜歯よりも処置が複雑になるケースがあります。
問診・診察
痛みや腫れなどの症状、これまでの経過などを確認します。
レントゲンなどによる検査
親知らずの位置や向き、周囲の骨や隣の歯との関係などを確認します。
下顎の親知らずでは、歯の根の近くを神経が通っている場合があるため、必要に応じてより詳しい画像検査を行うことがあります。
抜歯方法の説明
親知らずの状態を確認したうえで、抜歯の必要性や方法、リスク、費用などについて説明を受けます。
麻酔をして抜歯
局所麻酔などを行い、状態に応じて歯ぐきを切開したり、歯を分割したりして抜歯する場合があります。
術後の確認
抜歯後は、出血や傷口の状態を確認します。 必要に応じて薬の処方や、後日の経過確認が行われます。
医療機関への相談が必要な場合
親知らずの周囲が大きく腫れている、発熱がある、口が開けにくい、飲み込みにくいなどの症状がある場合は、早めに歯科医院へ相談してください。
腫れや感染が強い場合には、状態を確認したうえで、まず炎症への対応を行ってから抜歯を検討することもあります。
親知らずの抜歯後に気をつけたいこと
親知らずを抜いた後は、傷口を安静に保つことが大切です。 特に抜歯当日は、強いうがいや激しい運動などを避けるようにしましょう。
ガーゼは指示された時間を目安に噛む
抜歯後は出血を抑えるためにガーゼを噛むことがあります。 歯科医院から指示された時間や方法に従いましょう。
強いうがいを避ける
抜歯直後に何度も強いうがいをすると、傷口を守っている血のかたまりが取れてしまう可能性があります。
激しい運動や飲酒を控える
抜歯当日は、血流が増えるような激しい運動や飲酒などを控えるよう指示されることがあります。
喫煙を控える
喫煙は傷の治癒に影響する可能性があります。 抜歯後は歯科医師から指示された期間、喫煙を控えることが大切です。
処方された薬を指示どおり使用する
抜歯後に薬が処方された場合は、自己判断で中止したり量を変更したりせず、指示に従って使用しましょう。
抜歯後に特に注意したい症状
出血がなかなか止まらない、強い腫れや痛みが続く、発熱する、飲み込みにくいなど、気になる症状がある場合は、自己判断せずに抜歯を受けた歯科医院へ相談しましょう。
親知らずの抜歯費用はどのくらい?
親知らずの抜歯にかかる費用は、親知らずの状態や処置内容、検査の有無などによって異なります。
横向きに生えている親知らずや、歯ぐき・骨の中に埋まっている親知らずでは、通常の抜歯より処置が複雑になる場合があります。
費用は親知らずの状態によって変わる
親知らずがまっすぐ生えていて簡単に抜歯できる場合と、横向きに埋まっていて外科的な処置が必要になる場合では、費用が異なることがあります。
検査や薬などの費用も考慮する
抜歯そのものの費用だけではなく、レントゲンなどの検査費用や、必要に応じた薬の費用などが発生する場合があります。
保険診療になるケースが多い
病気や症状の治療を目的とした親知らずの抜歯は、健康保険の対象となることがあります。 ただし、実際の自己負担額は処置内容や保険負担割合などによって変わります。
費用は事前に確認しましょう
実際に必要となる費用は、親知らずの状態や処置方法によって異なります。 抜歯を検討している場合は、診察時に「どの程度の費用がかかる可能性があるか」を歯科医院に確認すると安心です。
親知らずが横向きに生えることに関するよくある質問
Q. 横向きの親知らずは必ず抜かなければいけませんか?
A. 必ず抜歯しなければならないわけではありません。 親知らずの位置や周囲の歯への影響、症状の有無、清掃のしやすさなどを確認し、抜歯するか経過観察するかを判断します。
Q. 横向きの親知らずが痛くなければ放置しても大丈夫ですか?
A. 痛みがなくても問題がないとは限りません。 横向きの親知らずは手前の歯との間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯ぐきの炎症につながる場合があります。 一度歯科医院で状態を確認してもらうことをおすすめします。
Q. 横向きの親知らずは手術になりますか?
A. 親知らずの状態によって異なります。 歯ぐきや骨の中に埋まっている場合や、横向きに倒れている場合には、歯ぐきを切開したり、歯を分割したりする外科的な処置が必要になることがあります。
Q. 親知らずを抜くのは痛いですか?
A. 抜歯中は麻酔を使用するため、痛みを抑えながら処置を行います。 ただし、抜歯後には腫れや痛みが生じることがあります。 症状の程度には個人差があるため、抜歯前に歯科医師へ確認しておきましょう。
Q. 親知らずを抜いた後はどのくらい腫れますか?
A. 腫れ方には個人差があります。 特に横向きに埋まっている親知らずなど、処置が複雑になる場合には腫れが出ることがあります。 抜歯後の経過については、担当の歯科医師の説明を受けてください。
Q. 親知らずが少ししか見えていなくても抜歯できますか?
A. 親知らずの一部しか見えていない場合でも、状態によっては抜歯が可能です。 歯ぐきや骨の中にどの程度埋まっているか、歯の向きなどを検査して判断します。
Q. 親知らずの抜歯はどこで受ければいいですか?
A. まずは歯科医院で親知らずの状態を確認してもらいましょう。 親知らずの位置や神経との関係などによっては、より専門的な設備や診療体制のある医療機関での抜歯が適している場合もあります。
横向きの親知らずは放置せず、まずは歯科医院で状態を確認しましょう
親知らずが横向きに生える主な理由の一つは、歯が生えるためのスペースが十分に確保されていないことです。 そのほかにも、歯の位置や向き、顎の形などさまざまな要因が関係しています。
横向きの親知らずは、歯ブラシが届きにくくなることで、親知らず自体の虫歯や歯ぐきの炎症だけでなく、手前の第二大臼歯の虫歯などにつながる可能性があります。
一方で、横向きだからといって必ず抜歯が必要になるわけではありません。 親知らずの位置や周囲の歯への影響、症状、清掃のしやすさなどを確認したうえで、抜歯するか経過観察するかを判断します。
「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、親知らずが横向きになっていることが分かったら、一度歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
親知らずの状態を知ることが、
将来的なお口のトラブルを防ぐ第一歩です。
